第5章:十二大従星で読み解く人生のステージ
十二大従星(じゅうにだいじゅうせい)とは、陰陽五行論にもとづく算命学において、宿命表の『陽占(ようせん)』にあらわれる重要な要素です。
ここで言う”星”は天体ではなく、その人が生まれ持ったエネルギーを示しています。
このエネルギーの種類や強弱によって、心や身体の傾向、そして人生の歩み方が表されるのです。
十二大従星は全部で12種類あり、それぞれが胎児の時代から彼岸(あの世への旅立ち)まで、人の一生を象徴しています。
つまり、この12の星は『人生のどの時期に、どんな資質や傾向が表れやすいか』を読み解く手がかりになるというわけです。
十二大従星は4つのタイプに分けられる
また、各十二大従星には、点数が割り当てられており、『身強(みきょう)』、『身中(みちゅう)』、『身弱(みじゃく)』、『最身弱(さいみじゃく)』という4つのカテゴリにわけられます。
これは肉体的なパワーの目安であり、人生のどの段階で力を発揮しやすいかのヒントとなります。
陰陽五行や算命学の中で、陽占は『才能資質』読み解く地図のような存在です。
十二大従星は、その地図の中で『人生のステージ』と『心身の強さ』を占める座標の役割を担っていると言えるでしょう。
この記事のゴールは、あなたがご自身の人生の才能と人生のステージを読み解く入り口に立つことです。
これからご紹介する内容を通して、「自分はどんな時期に、どんな力を発揮すやすいのか?」とイメージできるようになり、宿命表をより楽しく活用できるようになるはずです。
星とはエネルギーのタイプ
十二大従星でいう『星』とは、夜空の星ではありません。
その人が生まれ持ったエネルギーの質を注し、心や身体の傾向、そして人生の歩み方まで映し出します。
それぞれの十二大従星はエネルギーのタイプを持ち、いつ・どのように現れやすいかは、陽占のどの位置に配置されるかで変わってきます。
たとえば、青年期の勢いを象徴する天南星(てんなんせい/身強)は、『行動力・反骨精神』といったエネルギーが強く、精神性や感受性を象徴する天胡星(てんこせい/身弱)は、『直感・芸術性』が際立つエネルギーを持っています。
つまり、十二大従星のエネルギーの設計図として見ることで、「自分はどんな資質を持ち、どの局面でその力が働きやすいかの」を具体的に掴めるようになるというわけです。
次に続くセクションでは、このエネルギーが人生の12の段階(胎児~彼岸)としてどのように影響を与えるのかをみていきましょう。
十二大従星とは人生を12の段階に分けて表す
十二大従星は、その人の人生を胎児期からあの世への旅立ち(彼岸)までの12のステージにわけて表現します。
それぞれの十二大従星は、一生のうちのどこかの段階を象徴しており、『どの時期に、どんなエネルギーや資質が現れやすいか?』を読み解くヒントとなります。
たとえば、胎児期を表す天報星は『無限の可能性と変化』を象徴し、青年期を表す天南星は『行動力と冒険心』にあふれます。
壮年期の天禄星は『安定と落ち着き』を示し、晩年期の天堂星は『助言やまとめ役』の役割が強くなります。
このように12の段階は、単なる年齢の流れではなく、人生ごとのステージごとに強く作用するエネルギーの質を表すものと言えます。
十二大従星の配置によって、若いうちから晩年期の性質が現れることもあれば、その逆もあります。
つまり、ご自身の十二大従星を知ることで、人生のどの時期に何を活かせばよいのかがみえてくるというわけです。
次の章では、この12段階のステージを、さらに深く理解するために欠かせない『心身の強弱』を示す点数と、その4つのタイプについて見ていきましょう。
心身の強弱を点数を表し4つのタイプに分類
十二大従星は、それぞれに『点数』が割り当てられており、この点数が心身のエネルギーの強さを表します。
点数は単なる数値ではなく、その人が持つ体力・行動力・持続力の傾向を示す目安です。
高い点数ほど肉体的なパワーが強く、低い点数ほど精神性や感受性に重きを置く傾向があります。
それぞれのタイプには共通する性質があり、該当する十二大従星を見ることで、ご自身の強みの出し方は無理を避けるポイントがわかります。
この点数を基準に、十二大従星は次の4つのタイプに分類されます。
1. 身強タイプ(10点・11点・12点)
社会での活動期やリーダーとしての全盛期にあたる十二大従星が該当します。
該当する十二大従星
・天南星(10点)
・天禄星(11点)
・天将星(12点)
特徴
体力・行動力が豊富で、困難な状況でも粘り強く挑戦できる。
活かし方
困難な局面ほど粘り強く挑戦することができる。
エネルギーが高い分、無茶をしすぎないように休養も必要。
2. 身中タイプ(6点・7点・9点)
幼少期から大人になる過程の成長期にあたる十二大従星が該当します。
該当する十二大従星
・天印星(6点)
・天恍星(7点)
・天貴星(9点)
特徴
学びや人間関係を通じて成長しやすく、吸収力と柔軟性に優れる。
活かし方
好奇心を行動につなげる。
経験を積みながら徐々に専門性を高めると伸びる。
3. 身弱タイプ(4点・8点)
肉体的な力が徐々に衰え始める時期にあたる十二大従星が該当します。
該当する十二大従星
・天胡星(4点)
・天堂星(8点)
特徴
感性や洞察力が高く、サポート役や専門的な分野で力を発揮する。
活かし方
無理な長時間労働はさけ、集中できる時間を活かす。
助言や調整役に適正がある。
4. 最身弱タイプ(1点・2点・3点・5点)
肉体的なエネルギーが極めて少なく、精神性や直感力が際立つ十二大従星が該当します。
該当する十二大従星
・点馳星(1点)
・天極星(2点)
・天報星(3点)
・天庫星(5点)
特徴
変化や転換が多く、環境の影響を受けやすいが、独自の発想や専門性に優れる。
活かし方
体調管理を優先し、知恵や経験を活かせる環境を整えると才能が花開く。
このように、点数によるタイプ分けは、ご自身のエネルギーの使い方や休養の取り方を知る大きなヒントとなります。
次の章では、この4つのタイプそれぞれについて、簡単な特徴と該当する十二大従星を一覧でみてきましょう。
十二大従星が示す『人生の12ステージ』
十二大従星は、人間の一生を胎児期からあの世への旅立ちまでの12段階に分け、それぞれに対応する十二大従星が人生の特徴やテーマを表します。
ここでは、各十二大従星の『特徴』と『才能の活かし方』を時系列で簡潔にまとめます。
天報星
・胎児
・3点
・最身弱
特徴
無限の可能性と変化のエネルギーを持つ多彩な十二大従星。
考えや行動が変わりやすい。
活かし方
1つのことに集中し、やり遂げてから次へと進む。
天印星
・赤子
・6点
・身中
特徴
無邪気で愛嬌があり、周囲から可愛がられる人気者。
活かし方
笑顔と素直さを大切にし、周囲の助けを受け入れる。
天貴星
・幼児
・9点
・身中
特徴
学習能力が高く、純粋で品格がある努力家。
活かし方
良き指導者を選び、素直に学び吸収する。
天恍星
・青少年
・7点
・身中
特徴
華やかで魅力的。思春期特有の感性を持つ。恋愛面に課題も。
活かし方
環境を変えて成長し、重要な選択は信頼できる人に相談する。
天南星
・青年
・10点
・身強
特徴
若々しく行動力があり、反骨精神と冒険心にあふれる。
活かし方
目標を絞り、柔らかい物言いを心がけて邁進する。
天禄星
・壮年
・11点
・身強
特徴
安定思考で落ち着きがあり、堅実に成果を積み重ねる。
活かし方
計画性を持ち、サポート役としての力を発揮する。
天将星
・頭領
・12点
・身強
特徴
リーダーとしての器を持ち、義理人情に厚い。若い頃の苦労が成長の糧をなる。
活かし方
謙虚さを忘れずに、人を導く力を磨く。
天堂星
・老人
・8点
・身弱
特徴
位置付きと包容力を持つ相談役。自己主張は控えめ。
活かし方
一歩引いた立ち位置で助言を行い、信頼を築く。
天胡星
・病人
・4点
・身弱
特徴
感受性豊かで芸術的才能に恵まれるが、体力は控えめ。
活かし方
無理せず休養を取り、精神的な分野で力を発揮する。
天極星
・死人
・2点
・最身弱
特徴
純粋で霊感や直感に優れ、現世の常識に縛られない。
活かし方
流れに身を任せ、必要な時に助けを受ける。
天庫星
・入墓
・5点
・最身弱
特徴
研究熱心で探究心が強く、正直で白黒をはっきりさせる。
活かし方
一つの道を極め、先祖供養を大切にする。
天馳星
・彼岸
・1点
・最身弱
特徴
多忙で人脈形成に優れ、瞬発力は抜群だが持続力は弱い。
活かし方
忙しさを原動力にしつつ、意識的に休息を取る。
これらの12のステージを理解することで、自分の宿命の流れを俯瞰し、各時期にあった才能の発揮方法を知ることができるでしょう。
次の章では、ここの心身の強弱と人生のステージの関係について、より詳しく解説していきます。
十二大従星の心身の強弱と人生ステージの関係
十二大従星には、それぞれに点数が割り振られており、この点数が肉体的エネルギーの強弱を示します。
この強弱は、人生のどの段階でパワーを発揮しやすいか、またはどのように行動や休養のバランスを取るべきかを知る重要な指標となります。
点数による肉体の強さの目安
身強
身強(10〜12点)=パワフル期
青年期から壮年期、頭領期に該当し、体力・行動力ともにピーク。
例:天南星(10点)、天禄星(11点)、天将星(12点)
困難を突破する力があり、社会の第一線で活躍しやすい時期。
身中
身中(6〜9点)=成長期
幼少期から青少年期にあたる段階で、学びや経験を通じて力を蓄える時期。
例:天印星(6点)、天恍星(7点)、天貴星(9点
柔軟性が高く、吸収力が旺盛なため、人や環境から多くを学べる。
身弱
身弱(4・8点)=衰え期
老年期や体力が落ち始める段階に該当。
例:天胡星(4点)、天堂星(8点)
体力よりも精神性・知恵を活かし、サポート役として力を発揮する。
最身弱
最身弱(1〜5点)=魂中心期
肉体のエネルギーよりも精神・感性・直感に重きを置く時期。
例:天馳星(1点)、天極星(2点)、天報星(3点)、天庫星(5点)
物質的な成果よりも、精神的な充実や人との縁を重視すると良い。
強弱は良し悪しではなく、活かし方の違い。
点数が高ければ必ずしも『良い』というわけではなく、低ければ『悪い』ということでもありません。
それぞれの強弱には適した活動領域があり、パワフルな時期は行動量で勝負し、エネルギーが少ない時期は知恵・感性・人脈で勝負をするのが理想です。
この視点を持つことで、ご自身のステージごとに適切な戦い方や休み方が見えてくるでしょう。
次の章では、この十二大従星が『いつ』『どこで』その力を発揮するのかを、配置との関係から見ていきます。
十二大従星の配置とその意味
十二大従星は、その種類だけでなく、陽占のどこに配置されているかによって、エネルギーが発揮される時期と場面が変わります。
配置は、その星の力が『いつ』強く現れやすいかを示す重要な手がかりとなります。
十二大従星の3つの時期区分
初年期
初年期(右上)=幼少期〜青年期
生まれてから社会に出るまでの期間に影響します。
例:初年期に天将星(12点・身強)がある
→幼い頃からリーダー的役割を担いやすく、学校や地域活動でも自然と中心人物になる傾向。
中年期
中年期(右下)=社会参加期
社会に出てから引退までの働き盛りの時期に影響します。
例:中年期に天南星(10点・身強)がある
→働き盛りに行動力が増し、挑戦や転機を活かしやすい。
晩年期
晩年期(左下)=引退後
社会参加を終えてからの晩年期に影響します。
例:晩年期に天堂星(8点・身弱)がある
→穏やかに人を支える相談役として、地域や家族の中で存在感を発揮。
配置はその星が活発になるタイミング
同じ十二大従星を持っていても、初年期・中年期・晩年期のどこに位置しているかで発揮のされ方に違いが出てきます。
たとえば、天胡星(4点・身弱)が初年期にあれば、幼少期に芸術的感性や独特の世界観が芽生えやすく、中年期にあれば職業や趣味で創造性を活かすチャンスが訪れるでしょう。
十二大従星の配置を理解することで、『どの時期に何を伸ばすか?』『どの場面で自分の特性を活かすか?』が明確になります。
次の章では、この十二大従星を知ることで得られる具体的なメリットについて見ていきます。
十二大従星を知るメリット
十二大従星は、単なる占い的な要素ではなく、ご自身の才能・資質・心身の特性を知るための実用的な指針となります。
陽占に示された十二大従星の種類と位置を理解しることで、以下のようなメリットがあります。
1.ご自身の才能や資質の方向性がわかる
十二大従星は『その人が持っている生まれたエネルギー質』を示します。
たとえば、天将星(12点・身強)を持つ人は、リーダーシップや統率力に優れ、天胡星(4点・身弱)を持つ人は、感性や直感を生かした創造的活動に向きます。
これにより、ご自身がどの分野で力を発揮しやすいかが明確になります。
2.人生のどの時期にどんな特徴が出やすいかを予測できる
十二大従星の配置場所(初年期・中年期・晩年期)により、そのエネルギーが強く現れるタイミングがわかります。
たとえば、中年期に天南星(10点・身強)があれば、働き盛りに挑戦と行動力が増し、大きな成果を出す可能性が高まります。
一方、晩年期に天堂星(8点・身弱)があれば、引退後に落ち着いた人間関係や知的活動が輝くでしょう。
このように、あらかじめご自身の十二大従星が、どの配置場所にあるのかを知ることができれば、人生のどのタイミングで、どのように動けばいいのかを予測することができるのです。
3.無理のない行動計画や働き方の参考になる
身強タイプは、体力を生かした働き方や長期的なプロジェクトに向き、最身弱タイプは、精神的な分野や短期集中型の活動に適します。
このため、十二大従星を理解すると、ご自身のペースや体力にあった仕事やライフスタイルを選びやすくなり、無理せず自然体で成果を出すヒントとなるでしょう。
ご自身の十二大従星を知ることは、自分を活かす『取扱説明書』を手にするようなものです。
次の章では、これまでの内容を振り返りながら、十二大従星を日常にどう活かすのか?をまとめてお伝えします。
十二大従星は人生の12ステージをエネルギーで示す地図
十二大従星は、人間の一生を胎児期からあの世への旅立ちまでを12段階にわけ、そぞれの時期を象徴するエネルギーとして表現した『人生の地図』です。
この地図には、単に年齢の流れが描かれているのではなく、十二大従星の特徴、現れる時期、心身の強弱がすべて織り込まれています。
たとえば、青年期を示す天南星(10点・身強)は行動力と挑戦心を持ち、人生の加速期を象徴します。
一方、老人気を示す天堂星(8点・身弱)は落ち着きと助言力を発揮し、後進の成長を支える役割を担います。
このように、ご自身の十二大従星を知ることで、どの時期に何を伸ばすべきか、逆にどの時期に無理を控えるべきかが見えてきます。
十二大従星の位置(初年期・中年期・晩年期)とそのエネルギーを理解することは、自分らしい生き方を選ぶためのコンパスになります。
「なぜ、この時期にこの出来事が起こるのか?」を理解することができれば、必要以上迷うことなく、自分の道を進むことができるでしょう。