第6章:天中殺は運気のバリアが外れる時!?

天中殺(てんちゅうさつ)とは、陰陽五行論において『通常の運気のバリアーが一時的に外れる期間』または、『生まれつき運気のバリアを持たない宿命』を指します。

この期間や宿命の持ち主は、普段なら守られているはずの”見えない安全ネット”がなくなるため、予期せぬ大きな幸運や不運に見舞われやすいと考えられています。

「バリアが外れる」と聞くと怖いイメージを持つかもしれませんが、天中殺は単なる”悪い時期”ではありません。

たしかに、心が不安定になったり、普段と違う行動をとってしまったり、思わぬトラブルや人間関係の変化が起こりやすい傾向はあります。

しかしその一方で、精密検査で病気が早期発見されるなど、良い形で運命の流れが変わることもあります。

このため天中殺は、陰陽五行や算命学では非常に重要な概念とされています。

他の占いや運勢が良いとされる日であっても、天中殺の影響がある場合はそちらを優先して考えるほどです。

されに天中殺には、一定の周期で誰にでも訪れる天中殺と、生まれつき持っている天中殺の2種類があり、それぞれ意味や影響の出方がことなるのです。

次の章では、この2つの天中殺のタイプについて、わかりやすく解説してきます。

2.天中殺の2つのタイプ

天中殺には、大きく分けて『周期的に訪れるもの』と『生まれつきに持っているもの』の2つのタイプがあります。

とちらも、”運気のバリアが外れる”という点では共通していますが、その現れ方や期間に違いがあります。

周期的に訪れる天中殺

通常の天中殺は、誰にでも一定の周期で訪れる運気のバリアが外れる期間です。

年・月・日・時間という単位で4種類あり、それぞれ次のようなサイクルで回ってきます。

年天中殺:12年に一度、2年間続く
月天中殺:1年に一度、2ヶ月間続く
日天中殺:12日に一度、2日間続く
天中殺時間:毎日4時間だけ続く

この期間は、普段なら怒らないような予想外の出来事が起こりやすいとされ、注意深く過ごすことが大切です。

生まれつき持つ「宿命天中殺」

もう一つのタイプは、生まれつきの天中殺の性質を持っている人です。

これは『宿命天中殺』と呼ばれています。

この天中殺は、人生のスタート時点からすでに運気のバリアが存在しておらず、まるで『ガードレールのない道』を歩いているような状態です。

そのぶん、他人に守られにくいけど、自力で大きな成功を掴みやすいという面もあります。

6つの宿命天中殺

宿命天中殺には、次の6種類があります。

1.生年(せいねん)天中殺:親の加護を受けにくく、自力で道を切り開くタイプ
2.生月(せいげつ)天中殺:家系や社会との縁が薄く、専門分野で活躍しやすい
3.宿命二天中殺:年支と月支の両方に天中殺があり、孤独に強く精神世界に縁が深い
4.生日(せいじつ9天中殺:両親と価値観が合いづらく、親元を離れて伸びるタイプ
5.互換(ごかん)天中殺:一代限りの運命を持ち、派手でインパクトのある人生を歩みやすい
6.日座(にちざ)天中殺:頭の回転は早いけれど、まとめ役や家族運に難がある傾向

どのタイプにもそれぞれの個性と役割がありますが、共通して言えるのは、自分の宿命を知っておくことで生き方のヒントが見えてくるということです。


天中殺は、ただの”運気の落ちる時期”ではなく、自分らしい生き方を選ぶためのサインとも言えます。

では実際に、この天中殺期間には、どんな現象が起きやすいのでしょうか?

次の章では、その具体的な出来事や心の変化について解説していきます。

天中殺期間に起こりやすいこと

天中殺期間中は、いつもとは少し違う空気が流れます。

良いことも悪いことも、”予想外”という形で現れやすくなるのが特徴です。

運気のバリアが外れているため、いつもなら回避できていたようなトラブルや感情の乱れにも巻き込まれやすくなります。

たとえば、次のようなことが起こりやすいと言われています。

・理由もなく心が不安定になる
・普段やらないような行動をしてしまう
・事故やトラブル、人間関係のもつれ
・異性問題、金銭トラブル
・引っ越しや転職、結婚など、環境を変えたくなる衝動
・高価な買い物やギャンブルに手を出してしまう
・大切な秘密が明るみになる

このように聞くと、『天中殺=不幸な時期』と思われがちですが、実は良い面もあります。

たとえば、精密検査をきっかけに病気が早期発見されたり、自分の本音に気がついて生き方を見直すキッカケになったりすることもあります。

また、天中殺期間には、本人だけではなく、家族やパートナーといった身近な人にも影響が出る場合があります。

これを『副出現(ふくしゅつげん)』と呼び、特に健康や感情面での変化として現れることが多くなります。

つまり、天中殺とは『ただ避けるべきもの』ではなく、ご自身や身近な人の心と体の変化に気づきやすくなる『観察と気づきのチャンス』と言えるのです。

では、天中殺期間をどう乗り切ればいいのでしょうか?

次の章では、天中殺期間中を穏やかに過ごすためのヒントと心構えを紹介します。

天中殺期間の過ごし方と心構え

天中殺期間中は、運気のバリアが外れているため、何かと不安定になりやすいタイミングです。

だからといって、過剰に怖がる必要はありません。

大切なのは『どう過ごすか?』です。

ここでは、天中殺期間中に避けた方が良い行動と、むしろオススメされる行動について解説します。

天中殺に避けたいこと

天中殺期間中は、意思決定や新しい行動が空回りしやすい時期です。

特に次のようなことは、なるべく控えるのが無難とされています。

・強い自己主張やリーダーシップを取ること
・人生を左右する大きな決断(転職・結婚・引っ越しなど)
・車やバイクなど“動くもの”の購入や免許取得
・海外旅行や大きな冒険的行動

一言でいうと、天中殺期間中は『自分から動くよりも、流れに身を委ねる』スタンスがポイントになります。

どうしても行動が必要な場合は、焦らず慎重に、できれば他人の意見を聞いてから判断するようにしましょう。

天中殺におすすめの行動

一方で、この時期だからこそ良い流れを呼び込む行動もあります。

キーワードは『自分のためではなく、他者のために』です。

・先祖参り
→過去に感謝する行動は、天中殺期間に最もふさわしいとされています。

・ボランティアや人助け
→利益を求めない奉仕の心が、結果として自分を整えてくれます。

・自己成長のための学びや読書
→外へ出るより、内面を磨く時期と捉えましょう。

・遊びや散財も”誰かのため”ならOK
→友達や家族との楽しい時間やプレゼントは、むしろ吉となる場合もあります。

このように天中殺期間は、人生の流れを止めるのではなく、見直して整えるチャンスです。

心を落ち着け、静かにご自身と向き合う時間を意識することで、不安定な時期を穏やかに乗り越えることができるでしょう。

次の章では、さらに深く、天中殺の6つの種類とそれぞれが持つ役割についてみてきます。

ご自身に与えられた役割を知ることで、生き方のヒントが見えてくるかもしれません。

天中殺の6つの種類と役割

天中殺には全部で6つのタイプがあり、それぞれに人生の流れの中で果たす役割があります。

これはまるで『川の流れ』のように位置づけられており、自分がどの流れに属しているかを知ることで、補い合ったり、衝突したりする関係性も生まれます。

子丑天中殺(初代運)

川の一番上流にあたるのがこのタイプです。自分から何かを始める「開拓者」のような役割を持ちます。

・新しいことに挑戦する力が強い
・親からの相続や援助とは縁が薄い傾向
・自立した人生を選びやすい

寅卯天中殺(正統二代運)

流れを引き継いで安定させるタイプです。前の世代からのものを守り、次世代に渡していくのが得意です。

・家族や家庭を大切にする
・目上とも目下とも関係を築きやすい
・安定と継承がキーワード

辰巳天中殺(亜流二代運)

川の流れからふいに飛び出すような、独自路線の実践者。型にはまるのが苦手で、現実的な行動力に優れています。

・政治・経済分野で力を発揮しやすい
・枠に縛られず、自分の道を切り開く
・成功は地道な積み重ねから

午未天中殺(末代運)

流れの最下流、締めくくりを担うのがこのタイプです。家系や組織の「まとめ役」として、終わらせることが使命となります。

・過去の清算や後始末が得意
・目上との関係は良いが、目下との関係に注意
・特殊な宿命(例:男の子を産まない方が良い等)を持つ人も

申酉天中殺(正統二代運)

再び流れを受け取り、バトンを次へつなげる役目です。ただし、寅卯との違いは「社会性の強さ」にあります。

・社交的で世渡り上手
・家族よりも社会への関心が強い
・時代や環境を変えるパワーを持つ

戌亥天中殺(亜流二代運)

川から飛び出す“冒険家”のような存在です。夢や理想を追い求めることで、運命が開かれていくタイプです。

・感受性が豊かでチャレンジ精神旺盛
・現実よりも理想を重んじる
・常識にとらわれず、自分の世界観を生きる

川の流れと回光条件の関係性

天中殺の6つのタイプは対となる関係を持ち、これを『回光条件(かいこうじょうけん)』を呼びます。

たとえば、子丑天中殺と午未天中殺は正反対の位置にあり、補い合えば最強のパートナーとなりますが、人間性が未熟だと激しくぶつかり合う関係になりやすくなります。


このように、それぞの天中殺には『人生で果たすべき役割』があります。

どれが良い悪いという優劣ではなく、ご自身の立ち位置を理解して、その役割をどう活かすかが大切になります。

次の章では、これまでの内容を振り返りながら、天中殺を味方につけて生きるための考え方をお伝えします。

天中殺子(天中殺期間に生まれた子供)とは

父親が天中殺中に男の子を授かった場合

母親が天中殺中に女の子を授かった場合

両親ともに天中殺中だった場合

天中殺を味方につける生き方

天中殺と聞くと、”避けるべき不運の時期”というネガティブな印象を持つ人も多いかもしれません。

ですが、天中殺は決して『悪いもの』ではなく、ご自身を見つめ直し、成長のキッカケにできる特別な時間でもあります。

避けるよりも活かす意識

天中殺期間中は、普段通りの判断が通用しづらく、心や行動が不安定になりやすいとされています。

けれど、それは『ご自身の内面と向き合い、立ち止まるチャンス』でもあるのです。

たとえば、この時期に現れるトラブルや違和感は、ご自身の弱さや依存心、見直すべき習慣を教えてくれる”気づきのサイン”です。

だからこそ、流れに逆らわず、静かに過ごすことが最大の開運行動とされます。

ご自身の役割を理解し流れに沿った生き方を

天中殺には6つの種類があり、それぞれに『初代運』『二代目運』『末大運』という役割があります。

この役割は、あなたがこの人生でどんな使命を持っているか?どんな流れを担っているかを教えてくれるものです。

・何かを始めるのが得意な人
・流れを引き継ぎ、家族や社会を支える人
・現実を打ち破り、新たな道を切り開く人

などなど、ご自身の天中殺が示す役割を知ることで、生き方の指針が見えてくるでしょう。

天中殺に興味を持ったら…

もし、天中殺にご興味を持ったのなら、まず、ご自身やご家族の天中殺を調べてみてください。

最初の一歩は、『ご自身の天中殺を知ること』です。

天中殺は日干支から割り出すことができ、ご自身の天中殺期間や生まれ持った宿命を把握することができます。

あわせて、ご家族やパートナー、お子様の天中殺も調べてみると、家庭内の関係性や接し方にも気づきが得られるはずです。

天中殺は恐れるものではなく、人生のリズムに沿って進むための”道しるべ”です。

その波に抗うのではなく、上手に乗りこなすことができたとき、予想を越えた成長や幸運が待っているかもしれません。

あなたもぜひ、今日から天中殺を味方につける生き方をはじめてみませんか?