第4章:十大主星で読み解く才能と魅力

『十大主星(じゅうだいしゅせい)』とは、算命学における宿命表の『陽占(ようせん)』にあらわれる、生まれながらにして持つ才能や資質を示す10種類の星のことを言います。

それぞれの星は、自然界の事象を表す『十干(じっかん)』と対応しており、木火土金水という五行、そして陰陽のどちらかに分類されます。

たとえば、大樹のようなまっすぐな『貫索星(かんさくせい)』や、草花のように柔らかく人とつながる『石門星(せきもんせい)』など、星の名前そのものが性質を表しています。

ご自身の十大主星を知り、才能ベースの生き方ができると、なぜ人生が少し楽になるのでしょうか?

それは、十大主星が単なる占いのラベルではなく、人間の5つの本能(守備・伝達・引力・攻撃・習得)と深く関わっているからと言えます。

ご自身がどの本能を強く持っているのかがわかれば得意な行動パターンや人との関わり方、つまずきやすい場面まで見えてきます。

また陽占では十大主星が配置される位置によって、その才能がどの場面で発揮されやすいのかも変わります。

たとえば同じ『貫索星』でも、仕事の位置にあればマイペースな働き方を貫き、配偶者の位置にあれば自律したパートナーを求める傾向が強まります。

この章では、陰陽五行や算命学が初めての方にもわかりやすい、十大主星の基本的な意味や特徴をご紹介します。

専門用語はできるだけ噛み砕き、日常生活に置き換えて説明するので、読み終わるころには『ご自身や身近な人の才能・資質を楽しく分析できる第一歩』を踏み出せるはずです。

十大主星とは?基本のキホン

陰陽五行と十大主星の関係

十大主星(じゅうだいしゅせい)は、算命学の宿命表『陽占(ようせん)』にあらわれる、生まれながらにして持つ才能や資質を示す10種類の星です。

それぞれは五行(木・火・土・金・水)と陰陽のいずれかに属しており、この組み合わせが性格や行動パターンに深く関わります。

陰陽と十大主星

陽:昼ように外向きで表に出る力。行動や発信が得意。
陰:夜のように内向きで内側に蓄える力。思考や守りが得意。

五行と十大主星

木:成長・発展を象徴(芽吹く、伸びる)
火:情熱・表現を象徴(光や熱で照らす)
土:安定・蓄積を象徴(支える、大地)
金:行動・切り開く力を象徴(研ぎ澄ます、精錬)
水:知恵・流動を象徴(柔軟、学び、流れる)

同じ五行でも陰陽が変わると、資質の出方も変わります。

たとえば『木』の陽(貫索星)は一本の大木のように揺るがずマイペース。『木』の陰(石門星)はツルやツタのようにしなやかに周囲と関わる資質を持っています。

十大主星と自然現象の記号化

十大主星は、自然界の現象を記号に置き換えた十干(じっかん)と対応しています。

自然の姿にたとえることで、その星の性質が直感的に理解できるようになります。

十大主星と十干のつながり

甲(貫索星)=大樹
乙(石門星)=草花

丙(鳳閣星)=太陽
丁(調舒星)=灯火

戊(禄存星)=山
己(司禄星)=畑の土

庚(車騎星)=鉄
辛(牽牛星)=小石・宝石

壬(龍高星)=大河
癸(玉堂星)=雨水

十大主星と五本能のつながり

十大主星は、人間が生まれながらに持つ5つの本能のいずれかと結びついています。

これは目には見えませんが、性格や行動の原動力となるものです。

守備本能(貫索星/石門星)

・自分や仲間を守る

・マイペースに進む、または人とつながって守る

伝達本能(鳳閣星/調舒星)

・情報や感情を伝える。

・大勢への発信や1対1の深い会話が得意。

引力本能(禄存星/司禄星)

・人や物、お金を引き寄せる。

・愛情深く、人脈や財を循環または蓄積する。

攻撃本能(車騎星/牽牛星)

・行動で切り開く。

・単独で突き進むか、集団で役割を担う。

習得本能(龍高星/玉堂星)

・学び、成長する。

・体験から学ぶか、座学で極めるかの違いがある。

このように、十大主星は五行+陰陽+本能という3つの要素で成り立っており、それぞれの星に固有の『自然の姿』と『行動のクセ』が備わっています。

これらを知ることで、自分の特性や人との違いがよりクリアに見えるようになります。

陽占と十大主星の位置

陽占とは?

陽占とは、算命学の宿命表における内面の地図のようなもので、その人の性格や行動パターンがどの場面で表れやすいかを示す配置図です。

ここに十大主星が並び、それぞれの星が持つ才能や資質が、どの方向で発揮されやすいのかがわかります。

5つの位置(方位)とその意味

陽占には次の5つの位置があります。

配置された星によって、その場面であなたの姿が見えてきます。

自分自身(=中央=本質)

生まれ持った性格や価値観、行動の軸を表します。

ここにある十大主星は、外から見えなくても、根底に流れているあなたらしさです。

仕事(=東方=社会での顔)

仕事や社会活動の場での行動パターンや、他人に見せる表の顔を表します。

配偶者(=西方=家庭での顔)

家庭やパートナーとの関係における行動、または配偶者に求める要素を表します。

目上(=北方=上司・親への顔)

上司や親など、自分より立場が上の人との関わり方、または目上に求めることを表します。

目下(=南方=部下・子どもへの顔)

部下や子どもなど、自分より立場が下の人への接し方、求めることを表します。

十大主星の位置とその解釈

同じ十大主星でも、配置されている位置が違うと解釈が変わります。

たとえば、流行性は、水性の陽で習得本能を持ち、『体験を通して学び、破壊と創造を繰り返す冒険者タイプ』です。

自分の位置にあれば
→常に新しいことに挑戦し、変化を楽しむ人

仕事の位置にあれば
→仕事で新しい手法や改革を取り入れ、改善を繰り返す人

配偶者の位置にあれば
→家庭でも刺激や変化を求めるため、旅行や新しい趣味を共有したがる人

目上の位置にあれば
→上司や親からも、新しい知識や経験を求める傾向がある人

目下の位置にあれば
→部下や子どもに挑戦の場をあたえ、経験から成長させようとする人

このように、陽占の十大主星の位置は『どんな才能をどこで発揮しやすいか』を読み解く重要なポイントです。

位置と十大主星の意味を組み合わせることで、ご自身の特徴や行動パターンがより立体的に見えてきます。

次の章では、それぞれの十大主星が持つ特徴や本能、そして、日常生活での具体的な表れ方について、1つずつ詳しく見ていきましょう。

十大主星の種類と特徴

ここでは、十大主星を1つずつ紹介します。

五行、陰陽、本能、一言キーワードの順で整理し、初心者でもわかりやすいように日常の行動例を交えて説明します。

最後に、陽占での位置による意味合いについても触れていきます。

貫索星

貫索星(木性・陽/守備)‐自立

マイペースで、自分の価値観を守る芯の強さがあります。コツコツ積み重ねることが得意で、他人に頼らず自分の力で進むタイプ。例えば、一人旅や一人作業を好む人に多く見られます。

位置の意味:どの位置でも「自立」がテーマ。

石門星

石門星(木性・陰/守備)-社交性

柔らかな雰囲気で誰とでも仲良くなれる一方、内面はしっかり者。人をまとめる力があり、グループ活動が得意です。たとえば、職場で自然に人を繋げる調整役になる人です。

位置の意味:どこにあっても「社交性」がキーワード。

鳳閣星

鳳閣星(火性・陽/伝達)-おおらか

明るく開放的で、話し上手。人を楽しませるのが得意で、グルメや趣味を共有する場でも活躍します。嘘がつけない正直者。

位置の意味:どこにあっても「おおらか」がテーマ。

調舒星

調舒星(火性・陰/伝達)-鋭い感性

少人数での深い会話や、芸術的表現に才能があります。感受性が強く、人の気持ちに寄り添える温かさを持ちます。詩や音楽、絵画などを好む人も多いです。

位置の意味:どこにあっても「鋭い感性」がキーワード。

禄存星

禄存星(土性・陽/引力)-愛情深さ

広い範囲に愛情を注ぎ、人や物、お金を引き寄せます。人の役に立つことに喜びを感じ、結果的に豊かさが返ってきます。

位置の意味:どこにあっても「愛情深さ」がテーマ。

司禄星

司禄星(土性・陰/引力)-仲間意識

家族や仲間を大切にし、献身的に尽くします。堅実で、少しずつ資産や信頼を積み重ねます。

位置の意味:どこにあっても「仲間意識」がキーワード。

車騎星

車騎星(金性・陽/攻撃)-行動力

スピード感のある行動派。働くことが好きで、困難な状況ほど力を発揮します。スポーツや現場仕事など、体を動かす分野で力を発揮しやすいです。

位置の意味:どこにあっても「行動力」がテーマ。

牽牛星

牽牛星(金性・陰/攻撃)-役割

責任感が強く、社会的地位や名誉に恵まれやすい星。組織の中で役割を果たすことを好みます。外見にも気を配るタイプ。

位置の意味:どこにあっても「役割」がキーワード。

龍高星

龍高星(水性・陽/習得)-好奇心

新しいものや経験を求め、体験から学びます。旅行や挑戦を好み、常に変化を求めます。

位置の意味:どこにあっても「好奇心」がテーマ。

玉堂星

玉堂星(水性・陰/習得)-頭の良さ

座学や伝統的な学問に強く、理論的な考え方が得意です。文章力にも恵まれ、学びを深めて自己を形成します。

位置の意味:どこにあっても「頭の良さ」がテーマ。

十大主星は、このように五行・陰陽・本能の組み合わせによって性質が決まります。

同じ十大主星でも、陽占での位置によって表れ方が変わるところが面白いところ。

次の章では、ご自身の十大主星を実際に調べる方法をご紹介します。

十大主星の調べ方

ご自身の十大主星を知るためには、まず宿命表(陽占)を作成する必要があります。

宿命表は生年月日をもとに算出することができます。

初心者の方は、無料で宿命表を作成できる算命学の占いサイトやアプリを利用すると便利でしょう。

また、より正確で深い鑑定を求めるのなら、算命学を専門に扱う鑑定士に依頼する方法もあるので、ご自身にあった方法を選択してください。

十大主星を調べたあとは…

宿命表を通してわかった十大主星は、あなたが生まれながらにして持っている才能や資質です。

これを知ることで、次のように活用することができます。

自己理解
→ご自身の強みや苦手な行動パターンがわかり、日々の選択がしやすくなります。

人間関係の改善
→相手の十大主星や本能を知ることで、関係の持ち方や距離感を自然に調整することができるようになります。

仕事選び・適職判断
→十大主星の持つ本能(守備・伝達・引力・攻撃・習得)を仕事のスタイルに照らし合わせ、やりがいや成果を得やすい環境を見つけることができます。たとえば、貫索星が強い人は一人で黙々と進める仕事に向きやすく、鳳閣星が強い人は人前で話す仕事で輝きます。

十大主星は『占いの結果』ではなく、あなたが一生持ち続ける性質です。

そのため、知った瞬間から人生のあらゆる場面で役立つでしょう。

次の章では、ここまで学んだ知識を振り返り、理解をさらに深めるポイントをまとめます。

十大主星のまとめ

十大主星は才能と性格を知るヒント

十大主星は、陰陽五行論に基づく宿命表(陽占)に表れ、生まれながらにして持つ才能や資質を示す重要な要素です。

10種類の十大主星はそれぞれ、木・火・土・金・水という五行と陰陽にわかれ、さらに五本能(守備・伝達・引力・守備・習得)のいずれかと結びついています。

十大主星の特徴を知ることは、ご自身の性格や行動パターンを深く理解する一歩となります。

位置と本能を意識すれば深く理解できる

同じ十大主星でも、陽占の位置(自分・仕事・配偶者・目上・目下)によって、発揮される場面や形が変わります。

たとえば、貫索星が『自分』の位置にある場合は自立心そのものが本質になりますが、『配偶者』の位置にあればパートナーにも自立を求める性質として現れます。

また、十大主星の背景にある本能を意識すると、なぜその行動をとるのか?どこで力を発揮しやすいのか?が見えやすくなるでしょう。

十二大従星とは?

十大主星がご自身の才能や性格の地図だとすれば、十二大従星はその才能が人生のどの時期に、どのように表れやすいかを示す時系列の地図です。

十二大従星は、人の一生を誕生からあの世への旅立ちまでの段階に分け、それぞれの時期の心や肉体の強弱を象徴しています。

陽占の特定の場所に配置されることで、『どんな時期に、どんな資質があらわれるのか?』がわかります。

次章では、この十二大従星について詳しく解説していきます。

三日坊主を克服したいなら貫索星的な生き方をしよう!